関係会社同士で取引をする際の経理上の注意点 | Cloud Payment 公式ブログ

関係会社同士で取引をする際の経理上の注意点

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関係会社同士で取引をする際の経理上の注意点

関係会社同士で取引をする際の経理上の注意点

親会社と子会社取引、子会社間取引等関係会社間取引は、第三者間取引と比較して取引価格を自由に操作したりすることなどで課税所得を操作し税金を操作しやすいため、税法上もその点を考慮したうえでさまざまな規制があります。

関係会社取引は、大きく分けて100%支配関係がある場合に適用される「グループ法人税制」とそれ以外の場合に適用される税制に分けることができます。

1.グループ法人税制

グループ法人税制が適用される100%グループ内の法人とは、完全支配関係のある法人であり、同一の者が法人の発行済株式等の全部を直接もしくは間接に保有する関係として政令で定める関係、または同一の者との間に当事者間の完全支配の関係がある法人相互の関係を言います。

グループ法人税制は、完全支配の関係にある法人同士を一体としてとらえて課税を行うという考え方から、資本金の大小に関係なく、すべての法人に対して強制的に適用されます。
代表的なものとして下記取り扱いがあります。

(1)100%グループ内の法人間の資産の譲渡取引

完全支配関係にある法人間の一定の資産の譲渡について、譲渡損益を繰り延べます。 対象となる資産は、固定資産、土地(土地の上に存する権利を含む)、有価証券、金銭債権および繰延資産であり、売買目的有価証券および譲渡直前の帳簿価額1,000万円未満の資産は除かれます。

(2)100%グループ内の内国法人からの受取配当金

完全子法人株式等に係る受取配当金等について益金不算入制度を適用する場合には、負債利子控除を適用せず、受取配当等の額の100%が益金不算入になります。

(3)100%グループ内の法人間の寄附金

内国法人が当該内国法人との間に完全支配関係がある他の内国法人に対して支出した寄附金についてその全額を損金不算入とするとともに、当該他の内国法人が受けた受贈益についてその全額を益金不算入とします。

2.グループ法人税制適用外の関係会社取引

関係会社同士で取引をする際の経理上の注意点

(1) 関係会社間の資産の譲渡取引

親会社と子会社間で資産の譲渡取引がよく行われると思いますが、時価よりも著しく低い価格で譲渡した場合に、売却側には時価と取引価格の差額を寄附金、買取側には、時価と取引価格の差を受贈益として認定し、寄附金には損金算入限度額があるため、一部が損金不算入になります。

(2) 関係会社間の資金貸借取引

親会社と子会社間で資金貸借もよく行われると思いますが、関係会社間において無利息で資金貸借を行うと、関係会社間の資産の譲渡取引同様に貸付側は第三者間の利率に基づき計算した利息分の寄附金認定、借入側は受贈益として認定されるケースがあり、寄附金には損金算入限度額があるため、一部が損金不算入になります。
ただし、債務超過の子会社を救済するために無利息で貸付ける等経済的利益を供与する側から見て、再建支援等をしなければ今後より大きな損失を蒙ることが明らかな場合や子会社等の倒産を回避するためにやむを得ず行うもので合理的な再建計画に基づく場合などは、その再建支援等を行うことに相当な理由があると認められ寄附金認定されません。

(3) 関係会社間の業務委託取引

親会社と子会社間で業務委託が行われるケースもよくあると思いますが、業務委託の実態の有無、金額の合理性、資金の授受等が総合的に判断され、妥当でない場合は、損金の否認、益金算入等税制上不利な扱いがなされるケースがあります。

(4) 関係会社間のリベート取引

関係会社間で大量に取引する場合は、売上代金の一部を戻すリベートが行われることもあると思われますが、これについても第三者間取引同様に明確な算定基準がない等の場合は損金の否認、益金算入等税制上不利な扱いがなされるケースがあります。

(5) 関係会社間の債権放棄

よく親会社が業績不振の子会社等の債権放棄をするケースがありますが、会社がその有する売掛金、貸付金等の債権について、債権放棄をした場合には、その債権放棄した金額は寄附金に該当します。
ただし、関係会社間の資金貸借取引同様に債権放棄等による再建支援等をしなければ今後より大きな損失を蒙ることが明らかな場合や子会社等の倒産を回避するためにやむを得ず行うもので合理的な再建計画に基づく場合などは、その再建支援等を行うことに相当な理由があると認められ寄附金認定されません。

(6) 関係会社間の共通経費負担

よく関係会社間で同じ事務所賃借する等含め共通の経費が発生することがよくありますが、
共通の経費を一部の会社のみ負担している、使用割合以上に負担している場合は、他と同様に、過大に負担している側は寄附金に、過少に負担している側は受贈益認定され、寄附金には損金算入限度額があるため、一部が損金不算入になります。

上記から、関係会社間取引する際には、実態の有無、取引価格や負担の合理性、算定基準の明確化等総合的に判断し、税務署等第三者に説明できるように文書化する等して明確化する必要があるのがわかります。

この記事の著者紹介

hukudome
福留 聡(ふくどめ さとし)
公認会計士・米国公認会計士・税理士・米国税理士
福留聡事務所代表

慶應義塾大学商学部卒。監査法人トーマツ、あずさ監査法人勤務後、独立。主に上場企業の決算支援、IFRS導入支援、国際税務などを得意としている。著書に『7つのステップでわかる 税効果会計実務入門』(2014年10月税務経理協会)、『公認会計士・税理士・米国公認会計士・米国税理士 資格取得・就職・転職・開業ガイドブック』(2014年11月税務経理協会)、『経理業務を標準化する ワークシート活用ガイド』(共著、2013年10月、中央経済社)。また、(社)日本士業協会よりIFRS、日米税務等DVD36巻を刊行している。

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